混乱する雪に対し、前は「ごめん。抱き締めたくて……」とさらに抱き締める力を強くする。その声は少し震えていた。

「とても嬉しい……。僕も、ずっと雪ちゃんのことが……」

好きだよ、その一言が前の口から放たれた時、ずっと互いに想い合っていたと知った時、雪の体が震えていく。恋が実ったこの瞬間に泣きそうなほど幸せを感じる。

互いの温もりに包まれながら、二人は愛の始まりを知った。