『おばあちゃんの贈り物』-許嫁(いいなずけ)とか意味わかんない-

 ライブハウスまでの道々、あたしに気を使って話がとぎれないようにしてくれたタッチャンは、見た目と全然ちがって、ナゴヤ弁の漫才師だったけど。
 ゾンビたちのバンドのほうは、その見た目に悪い予感がしたとおり。
 ビルの地下にある受付を通って、細い通路の先のドアをタッチャンが開けたとたん、
(うふぁぁぁ)
 どうしてゾンビが家で音をだせないのか納得。
 まるで工事現場の横を歩いているみたいな爆音が襲いかかってきた。

 ドドドドド
 だだだだだ
 ギュィィィィィィン

 ステージの真ん中でマイクを持っているひとは歌っているんだろうけど、なにを言っているのか歌詞はさっぱりわからない。
「ここにー。おってぇー。次やでぇー」
 タッチャンに耳元で叫ばれて、こくこくうなずいた。
 とても声で返事ができるとは思えなくて。