『おばあちゃんの贈り物』-許嫁(いいなずけ)とか意味わかんない-

「ほんと? あたしと結婚して、この家をのっとろうと…」
「たわけたこと言うな!」
 あ…。
 本気で怒った。
 ギターを弾く指が止まったから、あたしにもそのくらいわかる。
 ちくしょう。
 でも、ここはやっぱり――
「ごめんなさい」
 素直に謝ると、ゾンビが一瞬あたしを見た目をそらした。
「…まぁ、素直やよな、基本は」
「基本てなによ。いつもは変則みたいじゃないの」
「あははははは」
 また笑う。

 親戚だけど他人で。
 全然! オトナだと思わないけど3つも年上で。
 男の子だって意識しないけど男の子で。
 わけがわからない。
 でもね。
 おばあちゃんには悪いけど。
 あたしは絶対、だれかの決めたひとなんか、いやだから。
 いつか、好きになれるひとがあらわれて。
 まわりのみんながうらやむくらい、いちゃラヴして。
 そこから先は、ふたりで決める。
 許嫁(いいなずけ)なんて…、婚約者なんて…、
(ばっからしい!)