翔ちゃん雨だよ一緒に帰ろ?


外は朝からうだるような陽射しで、猛暑と湿度は容赦なく俺の体力を奪った。


体調が悪いからか、蝉の鳴き声が頭のなかでガンガンに響く。


しかも途中でテンションの高い同級生に絡まれて、更に体力をごっそりもっていかれた。


やっとの思いでクラスに辿り着いたと思ったら、渡瀬が仁王立ちで行く手を塞いでるし。


早く体力温存したいんだけど、そういえば俺もこいつに用事があった。


「噂になってんだけど!」

「なんだよ朝から、声でけぇし」


頭がクラクラする。