「学校どうすんの?休むの?」

「休むわけないじゃん。こんなのただの微熱だよ」


そう言ったら姉貴が黙り込んだ。
さっきまでくねくねきもちわるい動きをしていた姉貴が。あのうるさい姉貴が。


「姉ちゃん……息してる?」

この人が大人しいと不安になる。
いや気持ち悪い。


はぁ、こんなことしてないで早く支度しないと。重い身体を無理矢理起こした。


「あんたさ、美緒ちゃんを心配させたくないんだね」


だったらなんだよ、と言いそうになったけど面倒くさいから返事をするのをやめた。
そしたらいきなりガバッと抱擁。


「やめろ朝から。むさ苦しいわ、吐きそう。オエッ」


ほんとにほんとに、気持ち悪い。
女子に対する苦手意識って、もしかしたらこんな姉がいるからだったりして。


いや、でも。
今ので思い出した。


美緒を泣き止ませるために抱き締めたはずが、逆に抱きつかれてきてすげードキドキしたこと。