「あとちょっとだけ……」 「……まぁ、いいけど」 翔ちゃんは少し戸惑ってみせたけど、また広い胸の中で甘えさせてくれた。 翔ちゃんにとってはいつものわがまま出た〜って感じなんだろうけど、私にとっては違う。 翔ちゃんに甘えるのは、これがもう最後。 自分の鼓動と翔ちゃんの鼓動が重なるこの感じ、ちゃんと覚えておこう。 静かに目を閉じた。 私の髪に触れてる翔ちゃんの頬が、少し熱い。なんだか、とてもせつないよ。