ひとつの傘のしたで、なっちゃんと肩を寄せあった。大事なことを聞きたいのに、雨音がうるさくて、邪魔されているみたいな気になる。
「なっちゃんは同じクラスだからさ、ふたりのこと、私よりよく見てるでしょ」
「ふたりって?」
「翔ちゃんと……奥寺さん」
なっちゃんはあぁ、と呟いて灰色の空をちらっと見た。
「翔ちゃんと奥寺さんてさ……付き合ってるのかな?なんかものすごくお似合いだよね」
学校中の誰もが認め、異論を唱える人もいないはず。
だってふたりは校内イチの美男美女で、モデルみたいなスタイル。
勉強も運動もできて、放つオーラのキラキラ度がやばい。
こぼれたため息が雨音にかき消され、ローファーの先が水溜まりに沈んだ。
「気になるんなら宮辺に直接ききなよ」
「なっちゃんてほんと冷たい〜!」
言い合いながら土砂降りのなかを並んで歩いていたら、後ろから松野君が追いかけてきた。
「なつー待って!」
「え、松野?係の仕事片付いたんだ?」
彼はなっちゃんの彼氏で、生徒会長補佐をしている男の子。
どうやらその用事が思ったより早く片付いたから急いで来たらしい。
はぁはぁ息を弾ませてる。
きっと大好きななっちゃんに追い付きたい一心でここまで来たんだ。
傘も持ってないのに。
こんなに濡れちゃって。
「なっちゃんは同じクラスだからさ、ふたりのこと、私よりよく見てるでしょ」
「ふたりって?」
「翔ちゃんと……奥寺さん」
なっちゃんはあぁ、と呟いて灰色の空をちらっと見た。
「翔ちゃんと奥寺さんてさ……付き合ってるのかな?なんかものすごくお似合いだよね」
学校中の誰もが認め、異論を唱える人もいないはず。
だってふたりは校内イチの美男美女で、モデルみたいなスタイル。
勉強も運動もできて、放つオーラのキラキラ度がやばい。
こぼれたため息が雨音にかき消され、ローファーの先が水溜まりに沈んだ。
「気になるんなら宮辺に直接ききなよ」
「なっちゃんてほんと冷たい〜!」
言い合いながら土砂降りのなかを並んで歩いていたら、後ろから松野君が追いかけてきた。
「なつー待って!」
「え、松野?係の仕事片付いたんだ?」
彼はなっちゃんの彼氏で、生徒会長補佐をしている男の子。
どうやらその用事が思ったより早く片付いたから急いで来たらしい。
はぁはぁ息を弾ませてる。
きっと大好きななっちゃんに追い付きたい一心でここまで来たんだ。
傘も持ってないのに。
こんなに濡れちゃって。



