翔ちゃん雨だよ一緒に帰ろ?



この右手の感触。
気のせいなんかじゃない。


あのさ、翔ちゃんさ
一晩中手を握っててくれたよね?
って聞きたい。


「あの、さ」


「ん?」


結んだ口の口角ををキュッと上げて、聞き返してくれるこの顔が好きで。


どかんと苦しくなって
きりきり切なくなって
ぴりりと痛んで
なのにじんわり温かくなって。


好きって気持ちをいやなくらい思い知ってしまう。