翔ちゃん雨だよ一緒に帰ろ?


***

目覚めたら自分の部屋にいて、ベッドの上だった。


夢の中で誰かがずっと私を掴まえててくれたような気がする。


悪夢の中に落っこちないように、手を繋いでくれてたような気がする。


右手をぼんやり見てみた。
その感触を、この手がちゃんと覚えてる。


窓の外は白んで、朝の陽射しがカーテンの隙間からベッドの足許を照らそうとしてるとこだった。


燃えるくらい熱かったはずの身体はすっかり軽くなっていて、顔を傾けたら翔ちゃんが部屋の真ん中で伸びをしてた。