翔ちゃん雨だよ一緒に帰ろ?

翔ちゃんの言いつけを守らないといけない気がして、昇降口で生真面目になっちゃんを待った。


数分後、前方に友を発見。でも彼女の顔を見たら泣きたくなってきた。


「なっちゃん途中まで入れて?」


精一杯明るく声をかけたつもりが、さっきのショックのせいでだいぶ低音ボイスになってしまった。


「もちろんいいよ、宮辺(みやべ)から頼まれてるし」

「うそ!頼まれたの?」

「うん。そうだけど」


なんと、先手を打たれていたなんて。

「いやいや、普通そこまでする?」

ちょっとうんざりしてしまった。
子供扱いしすぎじゃない?