ありったけの勇気を出して、うんと背伸びした。
目を閉じて心を込めて、翔ちゃんのほっぺたに誓いのキスをしたら、傘を滑った真夜中の雨が、繋いだ私たちの手を濡らした。
いつもハテナマークだらけの言葉も、私の気持ちを一番に考えてくれる優しさも、その言葉に添えられた照れた笑顔も、少し不貞腐れたときの顔も。
翔ちゃんの全部が大好き。
「な、それこっち側にもして?」
「えっとあの、それはちょっと……」
「あとこことここも」
「えっ?」
「じゃあ俺がする」
「わわわ!」
なかなかこのドキドキには慣れないけれど、もう二度と、翔ちゃんの手を離したりしない。今誓ったからね?
end



