翔ちゃん雨だよ一緒に帰ろ?


「明日デートする?」


「する!どこに行こっか」


翔ちゃんと笑いあえるだけで、私はいつだって、どこにいたってすぐにしあわせになれる。


「美緒の行きたいとこならどこでも。連れていきたいとこもあるし」


「それってどこ?」


「明日のお楽しみ」


夏休みの予定もいっぱい立てたいな、もちろん二人で。


「そういえばバイト無事に終わったの?」


「うん、あの子の学力なら塾のトップクラスもキープできるはず」


翔ちゃんは教え方も上手だもんね。


「大人っぽくて可愛い子だったね」


どんな返事が返ってくるかと、ちょっと身構えた。


「可愛い?ただのマセガキでしょ」


これまでの不安はなんだったのかな。前よりもっと、翔ちゃんを好きになってるって強く感じることができる。


「あ、もうすぐ0時回っちゃうね」


「コンビニに向かう路上でカウントダウンって、相変わらず俺ら色気ないよな」


首の後ろを掻きながら苦笑いする姿が、岡崎君が描いてくれたルカ君に見えた。


「じゃあさ」


「ん?」


「わたしから」


なんて大胆な。


「え」


チラッと見上げた翔ちゃんは真顔で、目があったら一瞬で赤くなった。