「俺あいつに謝るよ」


「……うん」


「奥寺ともきっとうまくいくって」


「……うん、そうだよね」


翔ちゃんがそう言ってくれるなら、何もかもがほんとうになりそうな気がした。


岡崎君と奥寺さん。
二人が肩を並べて、楽しげに歩く姿が私には見えるよ。


手品を見せてくれた時の奥寺さんのはにかんだ顔、あれはもう、恋をしてる女の子の表情だった。


「じゃあ岡崎の話はこれで終わりな?」


「あっ、ごめん!」


やっぱり嫌だったのか!


「いや、ちぇりこの話ならいくらでも聞くけどね」


「それほんと?」


嬉しくて嬉しくて、翔ちゃんの腕をぎゅっとした。