「彼女との接点をなくしたくない、ってそんな子供じみた理由で中退渋って、俺のワガママのせいでスタッフみんなに迷惑をかけてるってわかってるんだ。なのにフラレるタイミングも逃すなんて、なにやってんだろうね俺」
いまにも岡崎君が泣き出してしまうんじゃないかと不安になって、苦しそうに笑う彼の言葉を力一杯否定した。
「違うよ、そんなのおかしいよ。岡崎君は、来年A組に入るんでしょ、翔ちゃんから聞いたよ?上のクラスに行こうって私とも約束したよね」
「そういえば、したね」
「ちゃんと守んなよ!」
岡崎君ごめん。
黙って話を聞くなんて大人っぽいこと、私にはできそうにないよ。



