彼女がいても何もおかしくない。むしろいないほうが不自然なのかもしれない。 翔ちゃんは優しいから。 今だってお風呂を出れば、文句を言いながらもきっと丁寧に髪を乾かしてくれる。 小学生のときは勝負する?ってゲームに誘ってくれて、耳にはヘッドフォンを付けてくれた。 だから笑いあっているうちにいつの間にか雨は上がって、雷は遠ざかっていたんだ。 そんな昔のことをどうして思い出すんだろう。 胸の辺りからまた涙がせりあがってくる。 なんで私はこんなに動揺してるんだろう。