翔ちゃん雨だよ一緒に帰ろ?


「うわぁ、間に合うかな……とにかく柏木さん、あとよろしくお願いします!」


岡崎君は時間を気にしながら、ドタドタと慌ただしい音をたてて出ていってしまった。


「落ち着きないね、岡崎。それにどこ行ったんだろ」

華世ちゃんが脱け殻みたいに脱ぎ捨てられたジャージを横目にぽつりと呟いた。


「最近この時間になると出ていかれるんですけど、今日はいつもよりちょっと早目な気がします。まぁプライベートですし、お年頃ですし、詮索はしませんけどね」

柏木さん、何か知っているような口調じゃない?

奥の部屋で服を着替えながら思わず聞き耳を立ててしまった。