でも。
それにしても疲れた。
岡崎君のスピードがまったく落ちないんだもん。なんでそんなに早いのよ。
君はマシーンなの?
こっちは消しゴムかけすぎて親指なんかへこんでしまってるし、気ばかり焦る。
それが災いしてインク瓶を派手に倒し、胸から下をタコに襲われたみたいに染めてしまった。
「キャーやっちゃった!ごめんなさい!でも、原稿は無事です」
「えっ、もうそこまで仕上げたの?この短期間ですっごく腕あげたね。あっ、服やっちゃった?まぁ、あるあるだから気にしないでね」
岡崎君も華世ちゃんも明るく笑って許してくれた。



