翔ちゃんには詳細をいえなかった私のバイト、その場所はもちろん岡崎君宅。
なんと彼は自宅とは別に仕事部屋を借りていた!
そこはいろいろと便利な駅近くで、夕方になるとどこかからご飯の匂いがしてくる住宅街とは違ってどこかピリリとした緊張感が漂っている。
同級生が仕事部屋を持ってるなんてすごいよね、なんて華世ちゃんと話しながら、初日は興奮気味にその部屋のチャイムを鳴らした。
玄関先にニコニコ現れた岡崎君は主なのにやけに丁寧で謙虚で。
それはきっと大人社会で生きてきた彼の歴史のうえに生まれたものなんだろうって思った。



