「いいヤツだな。変わってるけど」

「そうだね」

訳もなく顔がぽっとなった。
岡崎君と翔ちゃんの距離が近づいてる……なんかすごく嬉しい。


いつかみんなでデートなんかできたら最高だなぁ、華世ちゃんの彼氏にもまだ会ったことないし。夢が広がるなぁ。


「私もAに行きたい」

「休み時間の話?」

「そうじゃなくてさ」

もしも翔ちゃんと同じクラスだったら……いやいや。今はまだ、ほわほわしてる場合じゃない。


だって翔ちゃんは岡崎君の恋愛事情をたぶん知らないだろうし、奥寺さんが今どういう気持ちでいるのか……それだって誰にもわからない。

「美緒と岡崎がうちのクラスに来たらカオスだわ」

「行っていいの?目指していいの?」

明るい未来しか思い描けないよ?

「俺のこと追っかけたいならどうぞ」

いたずらな笑顔を見せて、さっき買ったアイスの半分をくれた。

「冷たーい、ありがと」

「アイスもらっても俺以外の男についてくなよ?」

「子供じゃないから!」

アイスはとっくにとけちゃってた。