「あと岡崎」
どきーっ!なんで今ここで彼の名前が。
「しつこいの、どうにかならない?」
翔ちゃんはふぅと息をついた。
「そういえば翔ちゃんからの返信がいつも遅いってしょげてたな」
そんなに頻繁に連絡を取ってるとは……なんだかんだ言って彼も翔ちゃんを好きになってしまったんだな。
すごいわかる〜その気持ち!
「中学生に教えるための復習になって俺にもメリットはあるんだけど」
「もしかして勉強教えてるの?」
「うん、オンラインだけど」
なるほどね、って。中学生の方をオンラインにしてもらえませんか?
「来年Aに行きたいんだって。そんなの前例がないけど圧がすごくて。あいつ本気かも」
「うっそー!」
私が先生じゃ行けてもC組かD組だろうと思ってたんだ。三人で同クラ行こうね〜!って約束したのに……これ抜け駆けだよね?
でも責められないや。
奥寺さんに届きたい。
頑張る理由はただそれだけ。
その気持ち、痛いほどわかるから。



