「それで?」
「写真見せろって。証拠がないなら信じないって」
「えー!」
そういえば撮ったことないや。
しかもなんか強気な子ってイメージが沸いた。
「彼女のこと自慢したかった」
「その彼女って、わっ、わたし?」
「決まってんじゃん。ちゃんと自覚しろよ」
なんか翔ちゃんの言葉がじわじわくる。
デレデレしちゃう、表情筋が崩壊しちゃう!
「だからはい」
「きゃ!」
長い腕にぐいと引き寄せられ、屈んだ翔ちゃんのほっぺたが、耳のそばにくっついてきた。
「えっ、なに?」
「だから写真が欲しいの」
「写真てそれは」
「ペアショ。恥ずかしいから何度も言わせんな」
反対の手にスマホを構えた翔ちゃんは、二人をフレームに納めた写真をカシャカシャと撮り始めてしまった。
「これよくない?」
撮れたての写真を見てはにかんでる翔ちゃんこそがよい!はぁぁ。彼の眩しさに慣れる日が果たしてくるのだろうか。
それに対して自分のデレ顔のだらしなさったら……はっ、恥ずかしい。
「ね、もう一回ちゃんと撮り直さない?」
「そう?素の感じが可愛いのに、ほら」
「か、可愛い?」
「うん、すげー可愛い。銀河系イチ」
頭をぽんぽん、ほっぺたをむにむにされて、卒倒しそうだよ……翔ちゃん。



