一緒にいられるのは登校か下校だと勝手に思い込んでいたんだけど、翔ちゃんは短い休み時間に、度々うちのクラスにやってきた。


時間は作ればいい、って言ってたけどそれはこういうことだったんだね。


有り余るこのキュンどうしよう!
学校じゅうにばらまきたい!


でも翔ちゃんは廊下で待てないタイプの男子だった。
モタモタして係の用事を片付けられない私を待てない、といったほうが正確なのかな。


「貸して」


ある日の休み時間。
黒板の上の方を消すことができなくて、ぷるぷると爪先立ちしてる私の元へ普通にやってきた。


「翔ちゃん!?」

「休み終わるじゃん。危ないし俺がやる」

クールにそう言って届かなかった部分をすいすいと消していく。

「じゃなくて、そんなに堂々と入ってきたら悪目立ちしちゃう」

「おまえの彼氏だってわかりやすくて逆によくない?」

だっ、大胆!!

「でさ今日昼メシどーする?一緒に食べよ」

ニコッと微笑みかけられてしまった。