「もう遅い」
「しょ、翔ちゃん……!」
「俺だって男なんだけど」
違う。昨日のとろんとした目と違う。
ちゃんとまっすぐ私を見てる。
どうしよう!
「あのっ」
またあわあわする!最近恒例のアワアワ!
「……なんてね。怖かった?」
するりと、ロック解除されて体が自由になった。
「この際だからはっきり言うけど美緒は男の下心に対する警戒心がなさすぎ」
溜め息をついて、痺れたわって腕をブンブン振りながら翔ちゃんは私を少し睨んだ。
でも、その腕でちゃんと私を抱き起こしてくれた。
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