翔ちゃん雨だよ一緒に帰ろ?


「全然意味わかんない。てか、なにそのもふもふ……」


私を見て翔ちゃんは椅子ごと後ずさった。


「これ実日子さんのだよ?普段着てるはずだけど」


「着てない、そんなの知らない。てかメイド服のがまだマシじゃん。あの人俺にとどめ刺す気だ……」

「何の話?翔ちゃん寝ぼけてる?」

「いや、そうじゃなくて……あっ、そういえば髪、まだ乾いてないからちょっと下で、乾かして、こようかな、っと」


落ち着きがないうえに、天井ばっか見て、目も合わせてくれない。


「美緒も下行くだろ?」


だから立ち上がりそうになった彼の両肩に手を掛けて、翔ちゃんの目をまっすぐ見た。