「美緒ちゃんまた濡れたの?バカ弟が役に立たなくてごめんね。もう風邪ひかないでよ?」


美緒は脱衣場にいるみたいだ。
でもなんで声がここまで届く?
あの人、絶対なんか企んでる。


「すみません、なんかいつも」

「いーの。ほら、まだここ濡れてるじゃない。拭いてあげるから」

「あっ、ありがとうございます」

「なんかちょっと胸おっきくなったんじゃない?」

「えっ、いやそんなことない!ないです!」


聞くな。聞くんじゃないぞ俺。
頭んなか元素記号で埋め尽くさないとやばい。