あきれられた。 翔ちゃんに置いていかれた。 たったそれだけのことで涙が浮かんだ。 確かに私はポンコツだけど、そんなに露骨に態度に出さなくてもいいじゃん。 行き場をなくしてうなだれてたら、頭の上にふわりとタオルが降ってきた。 翔ちゃんちの匂いだ。 「うちにいていいから」 うんざりした顔で私を見下ろしていたけれどその声は優しくて、やっぱり私は翔ちゃんのことが大好きだって、痛いくらいに自覚した。