「だろ?すっげーファンタジーな夢見てたもん」
「ファ……?ど、どんな?」
翔ちゃんはソファから転がり落ちるまでは一応意識はあったと思うんだけど。
「真っ暗な沼に誰かが俺を引きずり込もうとするわけ」
「ひぇーそれ悪夢じゃん!」
「でも手を引いてくれたんだよ、天使が」
「て、天使!!」
「地獄に落ちたくないからさ、夢中でその手を掴んだら、大丈夫、ここにいるよって」
「な!」
その台詞、私が言ったような。
「上は天国。下は地獄。美緒どっちに行きたい?」
「そりゃもちろん天国!」
「だろ?だから俺しがみついたんだ。それがすげーリアルなの」
「リアル?」



