「ところで雨宿りって……そこはちゃんと覚えてるんだ?」

「覚えてるよ。途切れ途切れっていうか曖昧だけど。家でもそばにいて世話焼いてくれてたんじゃないの?」

「そばにはいたけど……お世話というか」

そんなんじゃない。
あれはいつもと違う色っぽい翔ちゃんに振り回されてただけだ。

「もう本当のこと言うけどさ、あの時実は体調最悪だったんだ。だから帰り着いてすぐ寝たんじゃないかと思うんだけど」

「寝た、かもね」




肝心なところの記憶はないんだ。
じゃ寝てたのと同じ事。