映像部にお願いしてあのときの一部始終の再現ドラマでも作ってもらったらいいの?


それを見せたところで
『記憶にない。マジごめん。熱のせいだから』って言われるだけだ。
それって虚しすぎる。


唇を噛んでずっと下を向いてたら、翔ちゃんはいきなり立ち止まった。


「奥寺とはなんでもないから。なんかずっと勘違いしてない?俺達付き合ってないよ」

「……それは知ってる」


クールに返してみたけど、事前に岡崎君から聞いていなければたぶん動揺しまくっていたと思う。


ついでに彼女いらない主義なことも知ってしまって、結構傷心なんだよこれでも。


「じゃあ俺が邪魔なだけか。岡崎もそんな目してたしな」


「そりゃ、岡崎君は翔ちゃんに好意的とはいえないけど」


でも彼は翔ちゃんに八つ当たりするような子供じみたことはしない。