それなのに翔ちゃんは堂々と私を呼び止めた。 「美緒、リボン曲がってる」 なんで? なんでこっちに来れるわけ? 呆気にとられたけどでも……そのとき確信した。 この人昨日のことなんて 全然まったく100%覚えてないんだ! リボンを直してもらうなんて今まで何度もしてもらったことがあるのに、翔ちゃんの手が自分の胸元にあるってだけで顔から火を吹きそうだった。 わたしだけが焦ってるなんてずるい。 翔ちゃんはずるい! そう思ったらなんだかすべてが嫌になった。