「俺は雨宿り派みたいだね」 岡崎君が綺麗な歯を見せて、にっこり笑った。 「雨小降りになってきたから、そろそろ行こうか。って、うわ、ラスボス登場だ」 あわてふためく岡崎君の視線の先に、見たことのあるシルエットがあった。 「殺されたくないから行くね?平澤さんは相合い傘派みたいだしね。じゃまた明日」 意味ありげなセリフを残して、岡崎君は水溜まりの中へ駆けていってしまった。