「ねぇ、もしかして熱があるんじゃない?」 「んなわけないじゃん」 奥寺は果敢にも俺の席までやってきた。 まさか確認まではしないと思うけど。 頭がぼんやりして、どんどん思考力も低下していく。もうなんでもいいやと投げ出しそうになる自分を踏みとどまらせるので精一杯だ。 だからたぶん、油断した。 「こつん」 敵のおでこが俺のおでこにぶつかった。 ありえねー。 ヤツは何枚も上手だった。