クラス中が注目してる中で、下手に口を開いたらいけないという戸惑いもあった。
でもそうしたら同じことの繰り返しなんだ。だったらみんなに知ってもらったほうがいいんじゃ。奥寺と付き合うつもりはないって。
「でも、宮辺君……なんか具合悪そうだから。昨日のせいかな、なんて思って」
そう言いながらまた懲りずに近付いてくる。
「別に具合なんか悪くないって」
なんでそれに気付くかな。
自分の不調に気づかない鈍感女子もいるっていうのに。
冷たい汗が背中を伝うのをこっちは必死で隠してんだよ。
そういうの、わかってよ。



