「ほら、どうすんの。奥寺さん来たよ」
やっと席に着いたのに、
まだまだ休むのは無理っぽい。
教室に入るなり奥寺は女子たちに囲まれてしまった。
「昨日宮辺君と帰ったんだって?」
「二人ってやっぱ付き合ってんだ!」
「宮辺君て彼女には意外と激甘だったりして」
「ねぇ、実際どうなの?奥寺さん」
女子たちの黄色い興奮とピンクの好奇心に追い詰められて、本当のことを話してくれればいいのに。
頭を抱えていたら、女子たちの攻撃を笑顔でかわし、こともあろうに奥寺は俺の席に近づいてきた。
「キャー!」
女子たちが甲高い悲鳴が、身体中の痛みを増幅させる。



