溺愛フレグランス



「あら、晴美ちゃん、今、朔ちゃんとモフ男は出て行っちゃった」

私はガクッと力が抜ける。

「どこに行くって言ってた?」

お母さんは庭の花々にじょうろで水をやりながら、小刻みに頭を横に振った。

「いつものところじゃないかしら?
そんな遠くへは行かないと思うから」

私は家へは入らずに、お母さんにこう話した。

「私もモフ男の散歩に行ってくるから。
その後に、私はそのまま駅前で友達と会ってくる。
朔太郎が帰ってきたら、お父さんとお母さんと夕飯を食べたがるかもしれないから、その時はよろしくね」

お母さんはOKと笑顔で頷いてくれた。

「晴美ちゃんは、夕飯は?」
「分かんない、もしかしたら食べてくるかも」

お母さんはまたOKと言って、大切なガーデニングの仕事に精を出す。
私は急いで車に戻った。そして、朔太郎がモフ男の散歩によく使うあの公園に向かって車を走らせた。