私はまだ早いと思ったけれど、でも、あえて結婚という言葉を口にした。
私の本気度を朔太郎に分かってもらいたい。
「その人がいい人なら、俺だってこんな事は言わない。
明らかにおかしいじゃん。
嘘をつく人にいい人なんかいない。
俺は、絶対、反対」
私は何も反論できずにただため息をつくだけだった。
私の目の前でふんぞり返る朔太郎を見ると、朔太郎は何も間違った事は言ってないとそう思えてくる。
ほんの数時間前なのに、友和さんとのデートは心が躍るほどに楽しかった。
友和さんのお喋りはすごく楽しかったし、三歳年上のせいかお兄さんのような雰囲気がすごく心地よかった。
朔太郎の持つ魅力とは全然違う。
それに、所詮、朔太郎とは幼なじみの関係でしかない。好きという感情と愛しているという感情の違いが、きっと二人の境界線だ。
朔太郎は私の事を好きだけど、愛していない。それは、私だってそうなのかもしれないけれど。
そんな事を考えながら、ベッドに寝転んだ。
まずは、朔太郎が賛成してくれるところから始めなきゃならないなんて、なんて面倒くさいんだろう。
「俺も~」
こんな状況なのに、朔太郎は私の隣に寝転んできた。
あんな厳しい顔をして私を責め立てたくせに、今の朔太郎は私の布団の匂いを気持ち良さそうに嗅いでいる。



