溺愛フレグランス



私は心臓がドキドキしている。
確かに、あの時、私もそう思った
でも、その後が楽し過ぎて、その懸念をすっかり忘れていた。

「でも、そういう嘘をつくような人には見えなかったよ。
田舎のご両親の話とか離れて暮らす兄弟の話とか聞いたら、すごく誠実そうな人だと思ったし。
うちの両親の話をしたらね…
僕がもし晴美さんと結婚したら、ご両親が許してくれるんだったら一緒に暮らしたいなって。
私の印象では、他人の事をちゃんと思いやれる人だと思った」
「晴美は単純すぎるんだよ。
向こうは自分の事いっぱい隠してるのに、こっちはおじちゃん達の事までべらべら喋って」

朔太郎はイラついている。
可愛らしいはずの顔が、蛇のように怖くなっているから。
私は大きく息を吐いた。そして、朔太郎を睨む。

「朔、私のする事を邪魔しないで。
私だってもういい大人だよ、悪い人くらいすぐに見分けられる。
でも、友和さんは、すごくいい人だった。
めずらしく、胸が何度もときめいた。
もっと、たくさん会いたいって思った。
それで十分でしょ?
会って、お互い気に入って、付き合い始める。
そして、結婚までつながるのなら、そんな幸せな事はないよ」