「仕事の話はあまりしたくなさそうだったから、私の方から聞くのもやめた。
でも、他の事はたくさん話したよ。
趣味が旅行で海外にも相当行ってるとか、でも、ほとんどが一人旅なんだって。
私も旅行が趣味だから、すごく気が合った」
「そんなの当たり前だろ。
そういうシステムがAI婚活なんだから」
私が黙っていると、朔太郎が目を細めて疑うようにこう聞いた。
「それに、今日、ワンコを連れて来れないなら、なんで、前もって晴美に連絡しないんだ?
それもあんな車で、ワンコを快適に乗せれるわけがないじゃん。
俺はあの車を見て、あ、こいつ、犬なんて飼ってないなって思った」
「でも、友和さんのとこのワンコはトイプードルだから、あの車でもそんなに狭くないのかも」
私が友和さんの事をかばう言葉を並べると、朔太郎は目を閉じて天井を仰いだ。
「晴美、ちゃんと考えてみて。
あの男は、一人暮らしの独身で、トイプードルのワンちゃんと暮らしてます。
でも、今日、そのワンちゃんはドライブに連れてこれないほど体調が悪かった。
そんなワンちゃんを一人置いて、こんな遅い時間まで自分は遊べるか?
ペットの事をしっかりと考えてる人間なら、今日の約束はキャンセルして病院に連れて行く。
でも、そいつはそんな事を思い出しもせずに、晴美と遅い時間まで遊んだ。
多分、ペットなんか飼ってないと思うよ。
AIの質問なんて適当に答えてるんだろ、ワンコ飼ってるって言えば好印象だろうし」



