「朔、私と友和さんの登録しているアプリが、元々、年収や会社名や顔写真とかそういうものがないところからAIがマッチングしてくれるシステムなの。
それに、登録するのに男性の方はかなりの会費を払ってて、だから、悪い人はほとんどいない、と思う…
AIが準備した100個以上の質問をそれぞれが答えて、それで性格やフィーリングが合う人をAIが探し出してくれる。
そういうシステムだから、会社名と年収とかそういうものは後から知っていく…」
すると、朔太郎は私の話している最中に割り込んでこう聞いた。
「それくらいちゃんと分かってるよ。
多分、晴美の何十倍もちゃんと分かってる。
俺の仕事、忘れたか?」
「忘れてないよ… もうそんな怒らないでよ」
朔太郎は少しだけ伸びた前髪を手で払う。それも鬱陶しそうに。
「晴美の方からは聞いたんだろ?
その友和ってやつに」
私はうんと小さな声で答えた。
「よかったら、名刺もらえますか?って、聞いた」
「それで?」
「今日は持ってきてないって。
オフの時はそんな物持ち歩かないって」
朔太郎はソファにふんぞり返る。



