「晴美さん、大変な事になってる。
晴美さんのイケメン幼なじみの話で、どこも持ち切りですよ~」
由良ちゃんはすごく楽しそうだ。
私はそんな事よりもマッチングアプリのノウハウを色々と教えてもらいたい。
「晴美さんにそんな素敵な幼なじみがいるなんて知りませんでした。
その方とは、結婚とか考えてないんですか?」
私は大げさに驚いて、ないない!と大きな声で答えた。
「そうなんですか~?
何だか夢のある話だけどな~」
由良ちゃんは残念そうに私を見る。
「バツイチだし、結婚には向いてないって本人が気付いちゃったみたい。
それに私がマッチングアプリに嵌まってる事を馬鹿にするし、私が結婚に前向きなら、彼は後向きで頭の片隅にもないみたい。
というか、幼なじみと結婚って考えたこともないよ」
「そうなんですかね~」
何となく含み笑いをしているように見える由良ちゃんは、何かを感じているのだろうか?
「由良ちゃん、それより友和さんとの話を聞いてほしい。
今夜、電話していい?」
「OKです」
私と由良ちゃんは同じ目標を掲げる同志として、いつも意気投合する。
きっと、今夜も長くなりそう。
二人とも同じ事を考えながら、またお互い仕事に戻った。



