「本当だよ。
モフ男はちゃんと俺の事覚えていてくれて、俺の顔を見たら超高速でしっぽ振ってくるし、もう気持ちは両想いだよ」
「本当に?」
私は涙が出そうだった。
お父さんが倒れてから、モフ男の散歩をする人間が私一人となってしまった。
どうしても外せない用事がある時はお母さんにお願いするけれど、いつもの半分の時間で大好きな散歩が終わってしまう。そんな時のモフ男は寂しそうだった。
「本当に?」
私は涙目になって何度もそう聞いた。
「本当だよ。
俺はそんな事で嘘とかつかないだろ?」
私はあまりの嬉しさに、今度は私の方から朔太郎に抱きついた。
幼い頃、朔太郎の優しさは私の中では当たり前だった。
その当たり前を久しぶりに感じて、私の荒んだ心は居場所を見つけたと勘違いしてしまいそう。
「モフ男はすっごい喜ぶと思う。
私もできるだけモフ男が満足するように散歩に時間をかけようって頑張ってるんだけど、朝は中々元気がなくて。
朔太郎と一緒なら、モフ男は嬉し過ぎて猛ダッシュで走ったりすると思うけど、本当にいいの?」



