溺愛フレグランス



「朔太郎は、マッチングアプリって知ってるよね?
今、流行りの、いや、流行りっていうのも違うかもしれない。
これからの出会いには、こういうツールが必要になるから」
「マッチングアプリ?」

朔太郎の中から穏やかさが消える。

「マッチングアプリっていっても色んな種類があって、私が利用しているのは結婚を真剣に考えている人向けのちゃんとしたアプリ。
ここに会員登録するのに、男性は有料で結構なお金を払ってるし、結婚詐欺とかを未然に防ぐために男女とも独身証明書を添付するようになってる。
そのアプリを使って幸せな結婚をした人も多数して、体験談とか読んだらすごく参考になる」

でも、アプリによっては、色々な問題を抱えているもののある。
それも間違いなく事実で、だからこそ、私はレビューや星の数を参考にして吟味しているつもりだ。
でも、私の必死の説明を、朔太郎は気の抜けたコーラのような全く熱量のない瞳で聞いている。

「なあ、晴美ってそんなに切羽詰まってんの?」

マッチングアプリに否定的なのは分かるけれど、切羽詰まってんの?っていう言葉は、私の心をブサリと傷つけた。