溺愛フレグランス



ジャニーズ系イケメンで、顔面偏差値80の朔太郎の心配した顔を、普通に拝見できるのは私だけの特権だ。
だから、子供の頃からこの顔を見せられた私は、素直に全てを打ち明けてしまう。
あ~、今日もそのパターンには抗えないかも。
余計な事を言わないために私が黙っていると、朔太郎は私の顔を覗き込み心配なんだよ…と小声で囁いた。
昔も今も、朔太郎の癒しの微笑みは私を骨抜きにする。
そして、朔太郎もこの私の弱みを完璧に心得ている。

「智也~、ジンジャエール、おかわりお願い。
あ、できれば、ハニージンジャーで」

ハニージンジャーのワードを聞いただけで、私は朔太郎にもたれかかりたくなる。
蜂蜜が大好物の私の事を、朔太郎はちゃんと分かってくれている。
ささくれだった三十二歳の独身女にとって、こういう小さな気遣いはどんな甘い言葉より嬉しかったりする。
特に、大好きな幼なじみの朔太郎の心遣いは格別だった。

「で、どういう奴と何をやってんだ?」
「そんな変な事じゃないよ…」

いや、全然、変な事じゃない。
また由良ちゃんの言葉が私の頭の中を埋め尽くす。
健全な出会いの場ですと…
朔太郎は、私に関しては異常なほどの心配性だ。どういう風に説明すればちゃんと分かってくれるのだろう。