溺愛フレグランス



朔太郎は、相変わらず、カッコいいし可愛い。
髪が短くワックスでツンツン立たせている。
里奈ちゃんは今と同じ、長い髪をまとめて頭のてっぺんで大きなシニヨンを作っている。
三人とも若くてピチピチしていて、何が楽しいのかずっと笑っている。
画面に映る背景は、夕方の日差しが斜めから入り込み白い砂浜がオレンジ色に輝いていた。

すると、画面が切り替わり、波打ち際をじゃれ合って走る私と里奈ちゃんを遠くに映し、朔太郎と智也が話し始めた。

「お前と晴美ちゃんの関係って本当分からない。
幼なじみにしては親密過ぎないか?」

朔太郎はカメラに向かって、変顔をしてふざけている。
でも、すぐに神妙な表情に変わった。
智也はそんな朔太郎の綺麗な顔にズームインし、少しずつアップにしていく。

「俺は晴美が一番いいんだ。
この感情の意味とか名前とかは、まだよく分かんないけど、例えば、無人島に一つだけ何かを持っていっていいってなったら、絶対に晴美を連れて行きたい」
「何だよ、それ。
それはどんな男でも一緒だよ。
奥さんや恋人を連れて行きたいもんだろ、普通」
「じゃ、この世界が終わりを告げる時、俺は晴美とキスしていたい」

智也はカメラを回しながら、苦笑いをする。