溺愛フレグランス



「朔、晴美ちゃん、結婚おめでとう~~」

智也のお店に入ると、智也と里奈ちゃんが大きな声でそう祝ってくれた。
里奈ちゃんは智也の奥さんで、二十代の頃は、里奈ちゃんと智也、朔太郎と私でたまに遠出をしたりしてよく遊んだ。

「里奈ちゃん、お久しぶり」

里奈ちゃんは肩をすくめて笑った。

「晴美ちゃん、この間のカフェに私も居たの気付いてなかった?」
「あ、そうだったっけ…
ごめんね、あの時は周りに目を向ける余裕すらなかったの」

朔太郎は私の肩を抱き寄せる。

「智也のおかげだよ。
さっきも晴美とそう話してたんだ。
あの日、あの店に二人が行ってくれて、本当にありがとう」

智也は照れ臭そうに、テーブルに置かれたグラスにシャンパンを注ぐ。

「どっちにしても、朔太郎と晴美ちゃんは結婚する運命だったんだよ。
まずは、乾杯しよう」

私と朔、智也と里奈ちゃんの四人で高々にグラスを重ね合わせた。
まるで十年前にタイムスリップしたみたい。
こうやって四人で笑い合って、ただその時を楽しんでいたあの日が懐かしくてたまらない。
朔太郎の親友が智也でよかった。
私以上に朔太郎の事を理解している智也は、目を細めて私と朔太郎を見つめていた。

「実は、今日は二人に見せたいものがあるんだ」
「え、何?」