「友和さん、実は、今、私、友達と食事中なんです。
だから、今日は、これでおしまいにしていいですか?
その代わり、明日、ゆっくり話しましょう」
私はそう言いながら、お店の看板や外観を撮影してちょっとだけそれについて説明を加える。
友和さんは了解と言って、智也のお店をいい感じと褒めてくれた。
私達はクスクス笑い合いながら、撮影を終了した。
「じゃ、友和さん、また明日…」
「晴美さんは飲みすぎないようにね」
そんな他愛もないやり取りをして、私は電話を切った。
何だかほんわかした気分になる。恋をしているわけではないけれど、異性に対してこういう気持ちになる事は、私の中の女性ホルモンがすごく喜んでいる。
でも、すぐさま、お店で待っている朔太郎の顔を思い出した。
この状況を何て説明すればいいのだろうと、憂鬱になりながら。
私が店に戻ると、お店が混んできたせいで朔太郎は一人でカウンターに座っていた。智也は接客でバタバタ働いている。
「朔、ごめんね~」
スマホをいじっていた朔太郎は、蛇のような細い目で私を見上げた。
私はそんな朔太郎の事は無視をして、残っていたジンジャエールを飲み干す。



