溺愛フレグランス



「こんにちは!」

そろそろお開きにしようかと話している時に、朔太郎がひょっこり顔を出した。

「遅くなってごめんなさい。
本当はもう少し早くに来れる予定だったんですが」

私は朔太郎の顔を見て心の底からホッとした。
見慣れた顔に聞き慣れた声は、一瞬で私の魂を癒してくれる。
村井さんの話を聞いた後だから、なおさら朔太郎の存在に感謝した。
私には単純な恋愛事情が合っている。

「朔ちゃん、結婚おめでとう!」
「おめでとうございます」

朔太郎は照れながら肩をすくめて笑った。

そのまま解散になり、私と朔太郎は駐車場へ向かった。
私は倒れ込むように車に乗り込んだ。今日はもうクタクタだ。
すると、朔太郎は私を引き寄せてて軽くキスをする。

「今日は、晴美の部屋に泊まるから」
「今日はって、毎日泊ってるじゃない」

朔太郎は笑う。
私もその笑顔に釣られて笑った。
こんな他愛もない光景に、きっと、ずっと憧れていた。

「あ、そうだ、今夜、智也の店に行くから。
店を閉めた後、智也がご馳走を作って待ってるらしい」
「行きたい!」