溺愛フレグランス



私は村井さんの言葉の意味を解釈する事をやめた。
何だかとても怖い意味が隠されているのが分かるから。

「私は、でも、そういう人が好きなの。
生まれ落ちた時に人の価値は決まってるってあの人はそう言うけど、例え、生まれ落ちた場所が底辺だったとしても、その中でもがき苦しみ頑張って生きている人が好き。
ダメな方向へ進もうとする人に、真っすぐな道を教えてあげたい。
そういう性分なのよね…
今はね、何かしら、心に傷を負っているあの人の力になってあげたい。
精神的にも身体的にも」

もしかしたら、村井さんってマリア様みたいな人なのかもしれない。
あの友和さんをそういう目で見れる人って、貴重で稀有な存在だ。
でも、そんなしんみりとした中で、あの現実的な由良ちゃんが愛のある辛辣な言葉を村井さんに投げつけた。

「でも、その献身的な愛は報われる事はない。
散々、振り回されてポイっと捨てられるのが、今までの村井さんの恋愛事情。
今度のその人がそうじゃない事を願います。
でも、そういう人だったら、さっさと身を引いてください。
村井さんは、もう若くはないので」
「ゆ、由良ちゃん…」

隣にいた石田さんは、由良ちゃんのストレートな意見に困惑している。
私だってそう。
でも、由良ちゃん、男前過ぎて、何だか惚れてしましそう。