溺愛フレグランス



「朔…
どうしたの…?
めちゃくちゃカッコいいんだけど」
「そんなの当たり前だろ」

今の朔太郎に私の反応なんてどうでもよかった。
この決め姿だって、私の両親によく思われたいから。

「お邪魔しま~す」

朔太郎はいつものように大きな声でそう言って、リビングへ歩いて行く。
私はドキドキしながら朔太郎の後に続いた。ドキドキの意味がちょっと違うかもしれないけれど。

「あら、まあ、朔ちゃん、どうしたの?
こんないい男になって~」

母と娘は全く同じ反応だ。見ていて、私が恥ずかしくなる。
お母さんのウキウキ感満載の弾む声は、朔太郎の笑いを誘った。

「おばちゃん、玄関で晴美も同じ事言ってたよ~
DNAって凄いな」

三人でそんなやり取りをしていると、奥の部屋からお父さんがやって来た。
この家は無駄に広くて良かった事がある。
車椅子の生活になったお父さんが、家中、どこへでも行ける事。
廊下も広く、バリアフリーのリフォームは玄関のスロープとお風呂回りだけでよかった。

「朔太郎君、いらっしゃい」