夢のような海辺でのキャンプも終わり、私達は現実世界へ戻るため高速を飛ばしている。
そして、思っている以上に疲れていた。
太陽の光を燦燦と浴びて、時間があれば砂浜を歩いた。
それなのに、夜は一睡もせずに二人で戯れた。こんなに濃密な時間を朔太郎と過ごす事自体が初めてだった。
幼なじみの時の楽しさとは全く違う、恋人同志でしか味わえないまったりとした時間。
それは魂が寄り添うような、胸を焦がす濃厚で穏やかなひと時だった。

「明日、晴美の家に挨拶に行くよ。
月曜日って仕事は休みだろ?」
「明日って、早くない?
ゆっくり休んでからでいいよ、そんなに急がなくても」

朔太郎は運転しながら首を横に振った。

「いや、こんなの勢いが大事だと思う。
この勢いのまま、突っ走ろう。
そして、早く結婚したい。
毎日、晴美と寝たいんだからしょうがないだろ」

確かに朔太郎の言う通りだった。
この数日で私達は二人でいる事の素晴らしさを体感した。
精神的にも肉体的にも、私達は一分一秒も離れられない。

「朔のご両親には?」
「それは今夜話すよ。晴美の事はよく知っていて大好きだから、何も問題はないと思ってるんだけど…」